多角的な目線で転倒・転落対策を考えるために、医療従事者の枠を超え、「転倒・転落対策製品を提供するメーカーという立場からの目線」、「米国の医療機関に研究員として派遣され、米国における転倒・転落対策を直接見ている立場からの目線」、「医療・介護ベッド安全普及協議会という業界団体の立場からの目線」、「学術者としての立場からの目線」など、様々な分野の有識者の方々からご講演いただきました。日本では、アセスメントまでは行っていても、その後の対策・介入がバラついています。また ‶本当に減らすべき転倒は何か?″についても、議論が弱い実情があります。このセッションでは、各立場から“標準化の重要性”を一つのキーワードとして、メッセージ発信を行いました。
2023年秋、RoomT2は
2つの学会で3演題に参画しました!
RoomT2(転倒転落研究会)が有している様々な知見や情報を広く発信していくことで、この会の存在を多くの皆様に知っていただけるよう、2022年度から学術集会へも積極的に参画しています。2023年度も、10月と11月に開催された各学会で企画段階から参画し、各セッションで講演等を行いました。今回は、その内容の一部をご紹介します。
-
日本転倒予防学会 第10回学術集会
10月17-18日@京都テルサスポンサードセミナー『各職種の視点から転倒予防対策を考える』「転倒・転落対策におけるメーカーの関わり」RoomT2副代表/パラマウントベッド(株)マーケティング部/転倒予防指導士 奥 俊介医療施設における転倒・転落は、入院患者の高齢化、認知症患者の増加などと相まって、ますます対応が難しくなってきており、どの医療施設においても悩みは尽きない状況であると思います。しかし、そのような状況の中「おひとりさま医療安全」という言葉が象徴するように、多くの病院では、医療安全管理者が実質ひとりで孤独に頑張っているともうかがっています。そこで、本セミナーでは「チームを作ろう」と思ってもなかなか実現できずに悩んでいる医療安全従事者の皆様に、『各職種で何ができるか』を考えていただくために、医師、看護師、理学療法士の先生方に加え、転倒・転落対策製品を提供するメーカーの視点も交えて話題提供を実施しました。
座長饗場 郁子 氏……東名古屋病院 脳神経内科 臨床研究部長
黒川 美知代 氏…武蔵野赤十字病院 看護師長
演者饗場 郁子 氏……東名古屋病院 脳神経内科 臨床研究部長
奥 俊介 …………パラマウントベッド株式会社/RoomT2 副代表
村松 亜由美 氏…袋井市立聖隷袋井市民病院 看護部 係長
坪井 歩 氏………すずかけヘルスケアホスピタル リハビリテーション技術部 部長
-
第18回 医療の質・安全学会学術集会
11月25-26日@神戸国際展示場/会議場シンポジウム『多角的な目線で転倒・転落対策を考える』「物的対策を整え、活用/運用のルールを整えよう!」RoomT2副代表/パラマウントベッド(株)マーケティング部/転倒予防指導士 奥 俊介座長長尾 能雅 氏…名古屋大学医学部附属病院 副病院長 患者安全推進部 教授
川口 潤 ………パラマウントベッド(株)経営企画本部
演者長尾 能雅 氏…名古屋大学医学部附属病院 副病院長 患者安全推進部 教授
奥 俊介 ………RoomT2 副代表/転倒予防指導士【パラマウントベッド(株)】
若木 まどか…スタンフォード大学研究員【パラマウントベッド(株)】
高屋 玲 氏……医療・介護ベッド安全普及協議会【(株)ブラッツ】
加藤 省吾 氏…国立大学法人電気通信大学 大学院情報理工学研究科
参考「米国における院内転倒転落対策の標準化事例」パラマウントベッド(株)マーケティング部/Stanford大学医学部 非常勤研究員 若木 まどかパネルディスカッション『患者中心の転倒・転落問題解決に向けて』RoomT2設立代表 杉山良子座長高田 誠 氏………(株)オーセンティックス 代表取締役
杉山 良子 ……… RoomT2設立代表【パラマウントベッド(株)顧問】
演者梅村 朋 氏…………名古屋大学医学部附属病院 患者安全推進部 病院講師/薬剤師
黒川 美知代 氏……武蔵野赤十字病院 看護部 看護師長
須田 喜代美 氏……竹田綜合病院 医療の質管理部 医療安全管理室 課長
金子 由香子 氏……伊奈病院 情報管理部 医療安全管理課 課長
鎌田 博司 氏………笠幡病院 看護科長
これまでの、院内における転倒・転落対策の取り組みは、個々の病院での努力に終始している現状かと思います。そこで、RoomT2設立代表の杉山を発起人として、現場スタッフからの生の声で、転倒・転落の課題を改めて抽出し、対策までを協議する専門家集団(転倒転落防止確立プロジェクト)を2023年3月に発足しました。そして、転倒・転落防止対策のマネジメントとして、Current Best Approach (現時点で最善のやり方)をナレッジ化することで、実践方法の提言化を目指す活動を行っております。今回のセッションでは、①組織の理念とビジョン、②目標設定、③リスク評価と対策、④人材育成と多職種連携、⑤患者・家族とのコミュニケーションという5つの視点で見えてきた、重要なポイントとその論点について情報発信を行いました。
■Group①「組織の理念とビジョン」
梅村 朋 氏 ( 名古屋大学医学部附属病院 患者安全推進部 )
奥田 希世子 氏 ( 浜松市リハビリテーション病院 看護部 )
■Group② 「目標設定」
黒川 美知代 氏 ( 武蔵野赤十字病院 看護部 )
千葉 道子 氏 ( 黒石病院 医療安全推進室 )
■Group③「リスク評価と対策」
須田 喜代美 氏 ( 竹田綜合病院 医療安全管理室 )
上野 正子 氏 ( 福岡徳洲会病院 医療安全管理室 )
高瀬 園子 氏 ( NTT東日本関東病院 看護部
■Group④「人材育成と多職種連携」
金子 由香子 氏 ( 伊奈病院 医療安全管理課 )
赤城 香 氏 ( 公立西知多総合病院 医療安全管理室 )
要 由紀子 氏 ( 竹田綜合病院 リハビリテーション部 )
■Group⑤「患者・家族とのコミュニケーション」
鎌田 博司 氏 ( 笠幡病院 看護科 )
中島 聡子 氏 ( 蘇生会総合病院 )
大庭 明子 氏 ( 自治医科大学附属さいたま医療センター 医療安全管理室 )